第1回 SC YC神奈川
Information
講演:「インプラント周囲疾患へのストラテジーとリカバリー」
講師:辰巳順一先生(明海大学歯学部口腔生物再生医工学講座歯周病学分野)
<講師より>
インプラント周囲疾患は、定期的な検診の実施と適切な予防処置を行った状況下においても患者レベルで5%程度のインプラント周囲炎が発症している(Albrektsson, 2017)。インプラント周囲炎は、インプラント治療後に起こる頻度の高い併発症であることから、インプラント周囲疾患に対する対応は今や避けては通れない状況となっている。そこで、インプラント周囲組織の診断、基本治療及び外科的対処法など、インプラント周囲炎発症後の対処法について紹介する。
1. インプラント周囲組織診断のための検査:歯周病検査と比較し、インプラント周囲組織検査では検査項目、および検査結果の意味するところが異なる場合がある。インプラント周囲組織検査をするうえで、どのような点に注意しなければならないかをまとめる。
2. インプラント周囲疾患に対するストラテジー:近年公表されているインプラント周囲炎に対する対応法について整理する。
3. 外科的対処例:進行したインプラント周囲炎では外科的対応が必要となる。保存的治療はより早期に行うことが肝要で、進行してしまったインプラント周囲炎では、患者への負担が少なくなるよう配慮されたインプラント体の撤去が必要となる。2. で紹介させていただく治療プロトコルを参考に、インプラント周囲炎に対し外科的に対応した症例を紹介する。
さらに、インプラント治療におけるリカバリー処置は、単にインプラント周囲疾患の問題点を解決するだけでなく、本疾患を有した患者は既にインプラント治療で精神的、金銭的負担がかかっていることから、十分なインフォームドコンセントと精神的な面のサポートも含め対応が必要である。
<講師略歴>
1986年 | 城西歯科大学(現 明海大学歯学部) 卒業 |
1990年 | 明海大学大学院歯学研究科 修了、明海大学歯学部 助手(歯周病学) |
1997年 | 明海大学歯学部 講師(歯周病学講座) |
2006年 | 明海大学歯学部 助教授(歯周病学講座) |
2007年 | 明海大学歯学部 准教授(口腔生物再生医工学講座歯周病学分野) |
2016年4月~ | 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 専門委員 兼職 |
<所属学会>
特定非営利活動法人 日本歯周病学会 専門医・評議員・口腔インプラント委員 |
特定非営利活動法人 日本歯科保存学会 |
特定非営利活動法人 日本顎咬合学会 指導医 |
American Academy of Periodontology |
International Association for Dental Research |
多数の皆様のご参加をお待ちしております。