インプラント歯学は過去30年に渡る新しい技術の開発と治療術式の発展によって、日常臨床の現場に着実に浸透して来ました。歯科専門家は、患者に最高水準の治療が提供できるよう、技術分野の幅を必然的に広げましたが、教育面では治療における難易度の確認と各処置手順に含まれるリスクについての言及が殆ど行われていないのが現状です。これは、臨床家が患者にとっての最適な治療を行う上で、著しい弊害となります。

この状況に対応するためITI では、歯科インプラント治療法の分類システムを公式化し、さまざまな知識レベルや経験レベルを持つ臨床家すべてをサポートできるようにしました。2007年3月にスペインのマヨルカで開催され、様々な専門分野を持つ28名の臨床家が出席したITI コンセンサス会議での討議と所見を基にしたこの出版物では、補綴と外科の両方においてインプラント治療の幅広い多様性に対応したガイドラインが提示され、3つのカテゴリー［(S)ストレートフォワード、(A)アドバンス、(C)コンプレックス］に従って分類されています。

この本は、臨床家が治療アプローチを選ぶ際に不可欠なツールとなり得ます。明確な解説と分類によって、臨床家は各症例における難易度とリスクを査定し、治療にあたる上での必要な技術を見極める事ができます。

「インプラント歯学におけるSAC分類 - The SAC Classification in Implant Dentistry -」（ISBN:978-3-86867-101-8）は、所定の書店またはクインテッセンス出版から直接お買い求めいただく事もできます。