[ITIスカラ通信第2号をお届けします]
春の歩みが感じられるこの頃、コロナ感染もピークアウトを迎え、パンデミックからエンデミックへと移行しつつあるやにみえます。一方今回レターをお届けするヨーロッパで学ぶ二人のスカラはウクライナの情勢をより身近に感じていると思います。そんなスカラへの励ましを是非お願いします。
発行人:ITI日本支部, 2022年3月7日
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井汲玲雄先生
CUMD, University of Geneva (Geneva, Switzerland)
CUMD (ジュネーブ大学歯学部附属病院)
スイスのジュネーブ大学の補綴分野で研修中の井汲玲雄と申します。ITIスカラとしてこのような素晴らしい環境で学ぶ機会をいただき感謝申し上げます。
ITIスカラ通信を通して現地での状況を報告させて頂こうと思います。
ジュネーブ大学では臨床及び研究に携わっております。研究内容は、補綴物に関するシステマティックレビューやインプラント上部構造に関するin vitroの研究を行なっております。臨床面では診察やインプラント手術に携わらせて頂いております。ジュネーブ大学ではデジタルを活用した治療が盛んに行われており、日々とても勉強になります。
また、公用語がフランス語でありコミュニケーションに苦労しておりましたが、医局員はとても明るく親切な方々ばかりで日々楽しく勉強させて頂いております。スイスに来て早いもので半年以上が経過しましたが、この貴重な機会に感謝して、学べることは全て吸収していきたいと思います。
ジュネーブ大学の同僚と(左端:筆者、右から2人目 Irena Sailer教授)
山本麻衣子先生
University of Belgrade (Belgrade, Serbia)
(ベオグラード大学口腔外科外来玄関前)
皆様は中央ヨーロッパにあるセルビア共和国をご存じでしょうか?最近では、ロシアのウクライナ侵攻が大きなニュースとなっており、日本海を挟んでロシアや中国と隣接している日本も対岸の火事ではありません。セルビア共和国はそのウクライナと、ルーマニアやポーランドを挟んで隣の陸続きの国、旧ユーゴスラビア連邦の1つとお伝えすればお分かり頂けるでしょうか。
私は今、非常に大らかで陽気なバルカンの人々が住むセルビア共和国のベオグラード大学で、インプラント症例を自分自身の手で多く経験させて頂いております。症例は1本欠損から多数歯欠損、骨移植、全顎症例に至るまで数多く存在します。歯学部病院の各外来は朝8時から夜7時まで診療を行っており、とてもよく働くことに驚かされます。
病院だけではなく街中の店が夜遅くまで開けており、オスマン帝国の長い支配を受けた影響か、味覚がアジア人に近いと感じられる親日家の多いセルビアは、日本人にとっては非常に暮らしやすい国です。次回以降、バルカンやヨーロッパの色々な文化含めて、セルビアのインプラントや歯科事情をお伝えできたらと考えております。
以上となります。次号もご期待願います。
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